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小説家・角田光代さんファンの筆者が本当におすすめしたい角田光代作品5選をランキング形式で紹介します。

筆者が大ファンである角田光代さん。フィクション作品、リアルな人間関係を描いた長編小説やエッセイ本など幅広い作品を生み出しています。映画化された『愛がなんだ』や直木賞受賞作の『対岸の彼女』が代表作です。そんな角田光代さん小説の中で、筆者が本当におすすめしたい作品ランキング5選を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください!


小説家・角田光代さんについて

引用:新潮社

角田光代さんファンならば、作品の魅力や世界観についてご周知の通りかと思います。ここでは、あまり詳しくないという人へ、角田光代さんが小説家として成し遂げた偉業と話題作について紹介していきます。


主な受賞歴について

受賞年受賞名受賞作
1988年コバルト・ノベル大賞お子様ランチ・ロックソース
1990年海燕新人文学賞幸福な遊戯
1996年野間文芸新人賞まどろむ夜のUFO
1998年坪田譲治文学賞ぼくはきみのおにいさん
1999年産経児童出版文化賞フジテレビ賞キッドナップ・ツアー
2000年路傍の石文学賞キッドナップ・ツアー
2003年婦人公論文芸賞空中庭園
2005年直木三十五賞対岸の彼女
2006年川端康成文学賞ロック母
2007年中央公論文芸賞八日目の蟬
2011年伊藤整文学賞ツリーハウス
2012年柴田錬三郎賞紙の月
2012年泉鏡花文学賞かなたの子
2014年河合隼雄物語賞私のなかの彼女
2021年回読売文学賞源氏物語(訳)

早稲田大学在学中の1988年、彩河杏名義で書いた「お子様ランチ・ロックソース」で上期コバルト・ノベル大賞を受賞しています。
大学卒業後は本格的に小説家としての活動をはじめ、名作を次々と生み出していくこととなります。


映画化、ドラマ化された作品について

輝かしい受賞歴に加えて、映画化され広く認知されている作品も多くあります。
小説は読んだことないけど、映画でなら見たことある!という人も多いのではないでしょうか。

■八日目の蟬

引用:シネマトゥデイ

“母性”をテーマにした作品です。
不倫相手の子供を誘拐した女・希和子の3年半の逃亡劇と、事件後に大人になった子供・恵理菜の葛藤をリアルに描かれています。
愛情や家族などの日常的な要素に、逃亡劇という非日常的な要素を混ぜ込んだ独特の切り口が特徴的です。

檀れいさんや北乃きいさんが出演しています。


■愛がなんだ

引用:愛がなんだ

いわゆる”沼る”を描いた現代チックな作品です。
この作品は共感派と非共感派が分かれていて、作品を見た後の議論する時間がとても楽しいです。

筆者も当時の彼女と映画で観たのですが、ふたりとも「共感できないけど、周りにそういう人(テルコ)いるよね」で意見が落ち着きました。

あらすじは下記の通りです。

猫背でひょろひょろのマモちゃんに出会い、恋に落ちた。
その時から、テルコの世界はマモちゃん一色に染まり始める。会社の電話はとらないのに、マモちゃんからの着信には秒速で対応、呼び出されると残業もせずにさっさと退社。
友達の助言も聞き流し、どこにいようと電話一本で駆け付け(あくまでさりげなく)、平日デートに誘われれば余裕で会社をぶっちぎり、クビ寸前。大好きだし、超幸せ。マモちゃん優しいし。だけど。マモちゃんは、テルコのことが好きじゃない・・・。

愛がなんだ

岸井ゆきのさんと成田凌さんのW主演です。


角田光代さんファンの筆者がランキングトップ5を紹介。

角田光代さんの魅力について、充分ご理解頂いたかと思うので、ここからはランキング形式で読んで頂きたい作品5選をご紹介します!映画化されて話題の作品から、角田さんの人となりがわかるエッセイ本と幅広くピックアップしました。


第1位:平凡

この作品、タイトルはいかにも優しそうなのにしっかり目にメンタルをえぐってきます。笑
軽い気持ちで読むと心折れますので要注意です。

あの時○○していたら……。
人生のわかれ道をゆき過ぎてもなお、選ばなかった「もし」に心揺れる人々を見つめる物語です。

短編小説集となっており、それぞれのステージでそれぞれの心境がリアルに描かれています。

・妻に離婚を切り出され取り乱す夫
・恋人に裏切られた女が、男にかける呪いとは?
・主人公の飼い猫探しに親身に付き添うおばさんが語った息子とおにぎりの話・・・
・元恋人がオープンした居酒屋に訪れ、考えたこと、発見したこと。

人生には「もし」がつきものですが、選ばなかった世界線なんて誰も知ることができません。なのに、どうしても考えてしまう、信じてしまう。そんな葛藤が描かれています。

また、タイトルの『平凡』についても触れられており、なんの変化もないモノクロな日常(平凡)を【呪い】と考える人と、【祈り】や【祝福】と考える人で対比されているのが面白いです。

「もし」を考えることがないように、今この瞬間を生きていくことのかけがえのなさを実感させてくれる名作です。

■平凡


第2位:対岸の彼女

2005年に『直木三十五賞』を受賞した角田光代さんの代表作です。

結婚する女、しない女。子供を持つ女、持たない女。現代の多様化した”差”で分かり合えない女性たちの友情と亀裂を描く長編小説です。

専業主婦の小夜子が、ベンチャー企業の女社長である葵の会社で働き始めることから物語が始まりますが、2人が出会うまでの過去と現状が交互に描かれていて、ストーリーが徐々に繋がっていきます。

もちろん、両者はそれぞれの過去を知りませんから何食わぬ顔で傷つけあいまくるわけです…。
「なんで分かり合えないのだろう?」と思いながら心臓に悪いのですが、怖いもの見たさで読んでしまいます。

個人的なおすすめなポイントとして、本作は”旅”や”冒険”をきっかけにしてストーリーが大きく動き出します。
冒険中の主人公の心境や疾走感が読んでいて本当にワクワクしますし、もっと続いて欲しいと感じてしまいます。
角田光代さん小説は上記のように、”旅”や”冒険”を描く作品が多いのですが、本作はその最高傑作であると感じています。

筆者も作中の主人公とは生きている環境が違いすぎて共感できないかな?と思って読み始めたのですが、ここで描かれていることは普遍的なことばかりで、角田光代さん小説初心者の方に、まずおすすめしたい作品です。

■対岸の彼女


第3位:異性

作家のほむらひろしさんと角田光代さんが男と女について考えた、恋愛考察エッセイです。

「好きだから許せる?好きだけど許せない!?」
「男と女は互いにひかれあいながら、どうしてわかりあえないのか」
「モテる人とモテない人の違いは?」
「恋愛スクールカーストとは?」
それぞれの議題に対して、2人がそれぞれ意見を交わしていくという作品です。

2人の赤裸々な恋愛への価値観や過去の経験に基づいて、男女による恋愛観の違いがリアルに描かれています。正解を出すために討論しているわけでなく、それぞれがそれぞれの意見を尊重し合いながら議論をしているので心穏やかに読むことができます。
「確かになあ」「そういうことなのね」「自分はこうだけどなあ」と感じながら、スラスラと読める作品です。

ここで、個人的に刺さった箇所をシェアさせてください。
「非モテ」な人の共通点の考察についてで以下抜粋の通りです。

生真面目さが対人的なスペースを奪って、本来そこに入り込む筈だった他者=異性との接触可能性を潰しているんじゃないか。

異性(作中から引用)

これだ!と感じました。
ここからは筆者の解釈も入りますが、非モテの人は良かれと思って会話をしたりしますが、ここ(=沈黙)には本来であれば他人が入り込むスペースがあり、それを自ら排除しているんだ。と実感した一節でもありました。

角田光代さんの人となりや、様々な気づきを与えてくれるおすすめの1冊です。

■異性


第4位:愛がなんだ

前述した通り、2019年に今泉力哉監督によって映画された話題作です。

28歳のOLテルコは、一目惚れした男マモルを愛しすぎてひたすら尽くしまくりますが、マモルにとっては彼女の存在は恋人ですらないというあるあるを描いた作品です。

筆者は小説で読んでから映画を鑑賞したのですが、小説にはそれぞれの心情が明確に描かれているので映画だと消化不足になってしまうのかなと感じていました。もちろん、映画でのテルコの切ない表情と仕草、臨場感が非常におすすめポイントなのですが。

この作品は、読んだ(映画鑑賞)した後に友人などと感想をシェアする時間が非常に楽しいです。
SNSでもさまざな感想が投稿されています。

正解なんてどこにもない「恋」が描かれており、「恋」の全てが詰まっている作品です。

■愛がなんだ


第5位:森に眠る魚

1999年に起きた、「お受験殺人」とも呼ばれた文京区幼女殺人事件をモチーフにしている作品です。
本作では事件そのものではなく、女性同士のいがみあいに焦点を当てており、事件に至るまでの彼女たちの感情が怖いくらいリアルに描かれています。

女性グループは5人から構成されており、「受験は子どもの意志に任せる」はずだった彼女たちが「受験」という名の森に迷い込み、心を許し合っていたはずの5人の関係は異様なものへと変容していきます…。

主な登場人物は以下の5人で、絶妙な人間関係の描写が絶妙です。
・飾らない性格の繭子
・被害妄想気味の容子
・美人で気立てが良い千花
・臆病で不器用な瞳
・エレガントでプライドが高く秘密主義なかおり

それぞれが大事にしている価値観、秘密にしたいこと、子供の能力差などから、互いに対して嫉妬や憎しみを持つようになり、終盤の人間関係はまさに地獄絵図そのものです。
船に例えると、最初は傷が入っては都度修正ができていたのに、気がついたら沈没していた感覚でした。

なんで他人と比べてしまうのだろう?嫉妬という感情は抑えが効かないー。
そんなことを考えながら読み進めていました。

角田光代さん小説の中で、心情描写の部分が多い作品であり、個人的に非常におすすめな作品です。

■森に眠る魚


余談:角田光代さん小説との出会いについて

話が若干逸れてしまうのですが、ここで筆者と角田光代さん小説との出会いについて語らせてください。

出会いは、大学受験時に国語の長文読解(小説)対策で購入した「ちくま小説入門 (高校生のための近現代文学ベーシック)」の練習問題として掲載されていた『ふたり』という短編小説にありました。

出ていって、と言おうとして、一瞬迷い、出ていってやる、言いなおした。

ふたり(作中から引用)

一番最初のこの一文に一目惚れした瞬間、今でも鮮明に覚えています…。

彼女への誕生日プレゼントをめぐり喧嘩するカップルのさりげない日常が描かれていて、彼女が怒りに身を任せて家を飛び出して深夜にドライブしながら、「ひとりで生きていた頃の自由」と「ふたりで生きている不自由」について回想していくというストーリーです。

作品はそのワンカットのみでしたが、もっと角田光代さんの世界観に触れたいと感じました。

なお、『ふたり』は『私らしく あの場所へ (講談社文庫)』という短編小説集に掲載されています。
こちらもぜひチェックしてみてください。


まとめ

いかがでしたでしょうか。角田光代さん小説は本当に魅力的な作品ばかりであり、特に本記事にて紹介した本は厳選に厳選を重ねた名作です。ぜひ、参考になれば嬉しいです。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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青学大卒(19卒)→某大手IT企業勤務 好きなことを書きます。 旅行・グルメ・日常を中心に。 月2〜3記事の投稿を目安に書いていきます。 どうぞ宜しくお願いします。