通称”iパス“とも呼ばれるITパスポート試験。IT系資格の入門資格と言われ、年間の受験者が約80万人にものぼるメジャーな資格です。ITパスポートの試験内容は、経営理論や企業法規と幅広く、ITだけでなくビジネスにおける必須知識が凝縮されています。1ヶ月の勉強期間でITパスポートを取得した筆者が、試験内容や勉強方法・目安の勉強時間などをお伝えします。
Contents
ITパスポート試験とは?
まず初めに、ITパスポートの概要から説明をしていきます。
IT×ビジネスは切っても切り離せないものであり、国家資格という重要資格の位置付けをされています。
ITパスポートを保有していれば、ビジネスにおける最低限のIT知識があるということを証明できます。
※筆者は通信キャリアの会社に勤務しているのですが、内定者時代にITパスポートを半強制的に受けさせられました。IT企業では取得必須という位置付けをされているようです。
IT系国家資格の入門試験
ITパスポート試験を実施している独立行政法人IPA(情報処理推進機構)によると、
iパスは、ITを利活用するすべての社会人・これから社会人となる学生が備えておくべき、ITに関する基礎的な知識が証明できる国家試験です。
ITパスポート試験
とされています。
社会人以外にも、学生でも取得するメリットは非常に大きい資格であると言えます(就職活動時の優位性は多少なりともあるようです。)
ITパスポートに関連した資格について
IT関連の資格には、ITパスポートの知識を前提として、多くの資格が存在します。いずれも国家資格であり、就職などに生かすことができる重要資格です。
ITパスポート⇨基本情報技術者試験(FE)⇨応用情報技術者試験(AP)
応用情報技術者試験(AP)が最も難関な資格であり、範囲が広く専門性も高い資格です。応用情報技術者試験からは「エンジニア系」と「マネージャー系」のさらに難関な資格に分岐をする構成になっている。
筆者が勤務している会社では、
・ITパスポート:新人の法人営業職
・基本情報技術者試験(FE):ベテランの法人営業職、新人のエンジニア職
・応用情報技術者試験(AP)〜:エンジニア職の半数以上
というように資格保有者が分布しています。
難易度が上がれば上がるほど、仕事に直結していきます。
※基本情報技術者試験などの関連する資格情報はこちら: IPA 情報処理推進機構
ITパスポート資格を取得するメリット
ITパスポートを取得することで、「ITの基礎知識があることを証明できる」と前述しました。具体的に①どのような知識がつき、②どのように生かすことができるのかということについて、自身の経験を踏まえて説明していきます。
メリット①:ビジネスにおける基礎知識がつく。
ITパスポートの試験範囲には、
- 経営全般(法務・財務など)
- システム開発・設計・運用・管理
- セキュリティ知識
- IT技術
など、社会で働くにあたっての必須知識(いわゆるビジネス用語)などが非常に多く含まれています。商談やエンジニアとの打ち合わせ時は、IT用語を知っていることが前提となっている内容がほとんどのため、包括的に勉強することができます。
例えば、「うちの会社のサーバは、オンプレからクラウド化を進めていて〜〜」などの会話が出てきた場合、意味や話の経緯を理解できるとできない人では大きな差が生まれてしまいます。
メリット②:大手企業でも積極的に取得奨励をしている。
大手企業では、ITパスポート取得を奨励している会社が増えています。
例えば、私が勤務している会社では、研修期間にITパスポート講座が開かれ、専門の講師が招かれるなどしていた。
また、ITパスポート合格者には、受験料負担と奨励金1万円が付与されるなどの支援があるなどしていました。
ITパスポートの試験概要
次にITパスポートの試験概要について説明していきます。
傾向を掴み、効率的にすることが重要です。
本記事の勉強方法を参考にして頂ければ、1ヶ月の勉強期間があれば資格取得も見えてきます。
試験時間と問題数について
試験時間120分 / 問題数は100問
計算問題が10問前後含まれますが、ほとんどの問題は知識だけ(知ってるか知らないか)で解答が可能です。
計算問題も式を2〜3つほど組み合わせば解ける問題がほとんどで、問題数の割に試験時間はだいぶゆとりがあります。
※試験時間が80分経過後は、自由に退出可能。
(私が受験した時も、残20分で半分近くの受験者が退出していました。)
受験方法について
CBT 方式(コンピュータに問題が表示・出題されて解答する方式のこと)
ITパスポート試験は、4つの選択肢から1つ解答を選んで、マウスでチェックを入れて進めていく形式です。後から見直したい問題にチェックをつけられるシステムがあるので不安がある問題を後回しにすることが可能です。
計算問題用に、メモ用紙とシャープペンシルが貸し出しがあります。
受験料 5,700円
受験日について
希望会場での空きがあればいつでも可能。
※地域・会場によって日程は異なりますので、事前確認は必須です。
確認はこちらから:ITパスポート試験
合格基準について
1000点満点中600点以上で合格
ただし、下記で説明する3つの分野の中に、正答率3割未満の分野がある場合は不合格となります。
※例年の合格率は50%前後です。
合格発表について
合格発表は3週間後が目安です。
ただし、受験後に点数が表示されるのでその場で合否を確認することができます。
ITパスポートの試験範囲について
前述の通り、ITパスポート試験範囲は、パソコン操作やプログラミング以外にも幅広いです。大きく3つの分野に分けられるので、解説をしていきます。
ストラテジ系
企業活動や経営戦略などが問われる分野。
経営方針の仕組みや個人情報保護法・知的財産法などもこの分野も含まれます。
会社経営するにあたっての基本的な考え方や、社会人として最低限知っておくべき、法務やコンプライアンスを学ぶことができる分野だ。
マネジメント系
システムやソフトウェア開発プロジェクトのマネジメント方法についてを問われる分野。
プロジェクトが企画されてから開発までに至る手法や流れ、プロジェクトの管理方法などが含まれます。
(IT系勤務者は必須の知識となります。)
社内でプロジェクトが立ち上がった場合に、どのように進めるのが効率的か、どのような役割を務めれば良いか、などの実践的な知識を学べます。
テクノロジ系
PCの仕組みからセキュリティ、ネットワーク、データベースまで、IT技術に関して問われる分野。
アルゴリズムに関する進数や、情報セキュリティーなども含まれ、ややエンジニアチックな分野でもあります。
普段何気なく利用しているネットワークの仕組みや、サーバの保守運用といった実践的かつITの根本的な知識を学習できます。
目安の勉強時間の勉強方法について
ITパスポートを合格するために、どれくらいの勉強時間が目安になるのか?また、効率的な勉強方法について説明していきます。
結論から言うと、
ITパスポートは1ヶ月の勉強期間があれば合格可能です。
では、詳細について記載していきます。
勉強方法について
これは非常にシンプルなのですが、、、
参考書を1冊マスター(input)+過去問を5年分ほど解く(output)
上記の内容で、合格圏に達することができます。理由として、知識だけで解ける問題が非常に多く、出題形式の傾向を掴むことができれば結構イージーなためです。
また、ITパスポートの試験範囲は、日常でも浸透しているものがたくさんあるので、勉強した内容を繋げるイメージを持つことも有効な勉強方法と言えます。
※おすすめの参考書に関しては、後ほど。
勉強時間について
前述で記載した通り、1ヶ月の勉強期間(2Hours×30Day)を確保できればほぼ間違いなく合格可能です。
※個々人の予備知識によって大きく異なるので、ご了承下さい。。。
試験内容的に暗記要素が多いため、IT系の学部生や社会人は参考書を読むだけで合格できますし、逆に、ITに全く触れてこなかった方(私がそうだった)は、参考書を3周ほどして過去問を3年分ほど解いて合格することができました。
IT系を勉強したことがある / IT系業務経験者
0~15時間ほど
前述の通り、参考書をぱらっと読むだけで合格できる方も多数いると思います。
(計算問題の対策はした方が得策です。)
IT系未経験者
30~50時間
横文字のオンパレードで苦手意識がある方はややゆとりを持った勉強時間を確保することがおすすめです。計算問題は、複雑な問題は少ないものの考え方を飲み込むのに時間がかかる可能性がありますので要注意です。
過去問サイトやおすすめの参考書を紹介
ITパスポートも年々メジャーな資格となり、数多くの参考書や問題集が出版されるようになっています。その中でも、筆者が実際に利用していたおすすめの参考書・問題集を紹介します。
おすすめ問題集①:いちばんやさしいITパスポート
タイトル通り、初学者向けの参考書です。
図解がカラーかつ丁寧で理解しやすく、読み進めやすいのが特徴です。
また、章末ごとに過去問演習もあるので、理解度を確認しながら読み進めることができます。
この1冊をきっちりinputすれば、あとは過去問を解きまくるだけです。
おすすめ問題集②:イメージ&クレバー方式でよくわかる 栢木先生のITパスポート教室
ITパスポートの知識を応用させたい方におすすめです。
試験内容とはやや逸脱した内容になるので、余裕のある方は読んでみてください。
ITパスポートの知識の活かし方を学ぶことができます。
深堀りされているので、基本情報技術者試験の受験予定の方には強くおすすめします。。
おすすめの過去問サイト
ITパスポート合格には、過去問攻略が1番の近道です。
というのも、例年過去問にそっくりな問題が数多く出題されるためです。
無料で利用できる過去問サイトがあるので、フル活用しましょう。
また、オンライン講座でも勉強することが可能です。
独学での勉強だとモチベーションを保つのが不安であったり、理解が難しい場合には活用することをおすすめします。
最後に
ITパスポートは社会人としての基礎知識を学ぶことができ、エンジニアの登龍門にもある万能な資格です。難易度的にも気軽に挑戦できので、ぜひトライしてみてはいかがでしょうか。
1 コメント