読書好きの筆者が2021年に読んだ小説の中で、ストーリー、没入感や読後感など様々な観点から見て「この小説はぜひ多くの人に読んでほしい!」と思った厳選作品8選を紹介したいと思います。恋愛小説、青春もの、エッセイ、ミステリーまでジャンル問わずに厳選したので、ぜひ参考にしてみてください!
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2021年 筆者の読書について
小説やエッセイが大好き筆者は、2021年は32冊(文庫本含めると大体50冊くらい)を読みました。
小説の魅力は、普段生きていたら体験できない世界に没入することができたり、普段思っていることを代弁してくれたり、時には勇気を与えてくれるなど、枚挙にいとまがないです。
個人的には、没入感を味わうのが好きで、
退廃的な主人公を描いてた作品や、好きな作家さんのエッセイ本などがとりわけお気に入りです。
高校時代から(おそらく)100冊以上の小説を読んでいますが、
2021年は好みの作品に多く巡り会うことができたので、特におすすめしたい作品を厳選8作品に絞って紹介します!
BUTTER – 柚木麻子
■あらすじ
男たちから次々に金を奪った末、三件の殺害容疑で逮捕された女、梶井真奈子(カジマナ)。
世間を賑わせたのは、彼女の決して若くも美しくもない容姿だった。
週刊誌で働く30代の女性記者・里佳は、梶井への取材を重ねるうち、欲望に忠実な彼女の言動に振り回されるようになっていくー。
殺人容疑で逮捕された梶井は超がつくほどの欲に忠実な「美食家」であり、
作中では多く食事や料理に関する描写が登場し、「食」に関する描写がリアルで、もはや官能的な域に達しています。
特に、作品名でもある「バター」に関する描写は丹念に表現されており、梶井の「食」への執念が象徴的に描かれています。
バター醤油かけご飯、たらこスパゲッティや塩ラーメンにバターを入れて食べるシーンなど何回も読み直してしまいました。。。
そして、メインテーマでもある「梶井は美しくない(むしろ醜女)のに、なぜ複数人の男を手玉に取れたのか?」
筆者の周りにも、美人ではないけれど常に彼氏が途絶えない女友達がいますが、通じるものがあると感じました。
ーそれは、自分のことを信じて(好きでいて)くれればそれで良い。ということかな、と。
梶井に染まっていく里佳には赤裸々に自身の過去などを話しますが、伶子には一切そんなそぶりを見せません。
梶井にとって、宗教のように崇拝してくれている人にしか興味がないのです。
この3人の価値観のぶつかり合い、事件の真相や梶井を形成した過去(過程環境)などが丁寧に描かれていて、
非常に高カロリーな作品であり、別世界に没入したい方には非常におすすめな作品です。
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限りなく透明に近いブルー – 村上龍
■あらすじ
米軍基地の街・福生のハウスで、ドラッグとセックスに溺れる若い男女を描いた作品。
退廃の日々の向こうには、何があるのか?空虚の先に見えてくるものとは?
作品名でもある、限りなく透明に近いブルーとは?
村上龍のデビュー作にして代表作(芥川賞受賞)であり、性や暴力の描写で溢れた衝撃的な作品です。
個人的には、お酒を飲みながら、流し読みするくらいがちょうどいい作品だと感じています。
というのも、気持ち悪くなるくらい、描写がリアルで気持ち悪いからです。
あらすじにも書きましたが、作品の半分以上が性や暴力に溺れている若者たちの姿であり、なんとなく、生臭い匂いや臨場感を非常に強く感じてしまいます。
では、何が魅力的なのかというと、
主人公の「僕」が、その場にいながらも、常に感情移入を排した表現でセックスや暴力が描かれている部分です。
文字通り、「僕」の主観的な感想がほぼ一切出てこないです。(もちろん、意見を求められたら応答はしている)
また、本作では複数の男女が登場しますが、彼らのバックグラウンドや「僕」と出会いから別れの部分が一切描かれていないにも関わらず、
なんら不信感を持つことなく、気づいてら登場人物に感情移入してしまっていることにあります。
中毒性が非常に高い作品で、非日常的な世界に入り込みたい方はぜひ読んでみてください!
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むらさきのスカートの女 – 今村夏子
■あらすじ
近所に住む「むらさきのスカートの女」と呼ばれる女性のことが、気になって仕方のない〈わたし〉は、彼女と「ともだち」になるために、自分と同じ職場で働きだすように誘導し……。
芥川賞受賞作品であり、オチが秀逸な名作です。
テンポ良い文体で、2時間程度でスラスラと読むことができます◉
映画「花束みたいな恋をした」に完全に影響され、読んでみることにしました。
(麦と絹にはあまり共感できませんでしたが笑、2人の服装や趣味などがとても好きでした)
結論から言うと、〈わたし〉が「むらさきのスカートの女」にひたすら執着するという話なのですが、
「紫のスカートの女」のヤバさというか人間的汚さが本当にクセになります。
なんというか、底辺的要素をややオブラートに包んだような世界観です。。
ややネタバレを含みますが、
観察する側は常に「空気」にしかなれない、そんな強い皮肉が描かれているような、そんな作品です。
上述した通り、テンポよくさくっと読めるのでぜひ読んでみてください!
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47都道府県女ひとりで行ってみよう – 益田ミリ
■あらすじ
日本には47都道府県もあるのに、行ったことがない場所があるというのはもったいないなぁ。
というわけで、全部行ってみることにした。
33歳の終わりから37歳まで、毎月東京からフラッとひとり旅。
名物料理を無理して食べるでもなく、観光スポットを制覇するでもなく。
旅行好きな方にとっては、最高にワクワクするエッセイです!
非常に共感した部分として、「旅行=観光地やご当地グルメをめぐる」ことに囚われてしまいそうですが、
本作では、益田さんの赴くままにひとり旅を楽しんでいる様子がひしひしと伝わってきます。
飾らない感じが本当に好きで、これはまさに自分が求めている旅だ!と思わず唸ってしまいました。
ちなみに、筆者はこの本で読んで、冬の秋田県へひとり旅をしてしまうくらい強い影響を受けました。
以下の記事にその時の様子をまとめているので、よかったら読んでみてください!
(ちょっぴり意識して、文体なども真似てしまいました。)
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変な家 – 雨穴
■あらすじ
2020年、ウェブサイトで166万PVを記録YouTubeではなんと700万回以上再生された、あの「【不動産ミステリー】変な家」にはさらなる続き。
謎の空間、二重扉、窓のない子供部屋—-間取りの謎をたどった先に見た、事実とは?
これは一度読み出したら止まりません。
筆者もTwitterでバズっているツイートを見かけて、軽い気持ちで読み出したのですが、
気がついたらkindleで本作を購入し読了してしまっていました。笑
単なる不気味な間取り図についての考察から物語は始まるのですが、
読み進めていくうちに、親族関係や歴史的背景など予測不能な要素が複数絡み合います。
最後に糸が解けた時の爽快感はたまりませんでした。
ホラーとミステリー小説を含んでいるので、そのジャンルが好きな方には強くおすすめしたい作品です!
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おまえじゃなきゃだめなんだ – 角田光代
■あらすじ
ジュエリーショップで、婚約指輪を見つめるカップルたち。
親に結婚を反対されて現実を見始めた若い二人と、離婚を決めた大人の二人。
それぞれの思いが形になる光景が胸に響く「消えない光」他23編。
人を好きになって味わう無敵の喜び、迷い、信頼と哀しみ、約束の先にあるもの——。
すべての大人に贈る宝石のような恋愛短編集。
まず、この清々しいタイトルが大好きです。笑
1編あたり10分程度で読むことができ、
感情移入する前にストーリーが終わるので、「いい意味で」読後感少ない作品が続きます。
結婚指輪、結婚の形、好きの先にあるものー。
普遍的なテーマが、平凡な日常のストーリーとして描かれていますが、
芯を食う部分が非常に多く、日常や人生観を深く考えさせられる作品です。
本作については、以下にて読書感想文を書いているので、ぜひ読んで頂けると嬉しいです!
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ダンス・ダンス・ダンス – 村上春樹
■あらすじ
『羊をめぐる冒険』から4年、激しく雪の降りしきる札幌の街から「僕」の新しい冒険が始まる。
奇妙で複雑なダンス・ステップを踏みながら「僕」はその暗く危険な運命の迷路をすり抜けていく。
70年代の魂の遍歴を辿った著者が80年代を舞台に、新たな価値を求めて闇と光の交錯を鮮やかに描きあげた話題作。
本作の面白いところは、
なんの根拠もなく、直感だけで次のステージを辿るような、独特すぎる世界観が広がっているところです。
進んでいないようで進んでいる感覚というか、、、
・夢に導かれて思い出のホテルへ行く。
・そのホテルで出会った少女と何かに引き寄せられるように行動を共にする。
・かつての旧友と再会し、とある事件に巻き込まれる。
自分の人生に当てはめた時に、
「今、この人に連絡したら人生が進む」とか「このドアをノックしたら人生が変わる」とか、
そんな綱渡りをしているような儚く進む人生に憧れてしまいます。
概念的な作品が多い村上春樹さんの作品の中でも、比較的読みやすい作品だと思うので、ぜひ読んでみてください!
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ん!? – 宮藤官九郎
■あらすじ
1年365日セリフと格闘する宮藤官九郎の最新5年間の作品に関わる88個の名セリフ&迷セリフのまとめたエッセイ。
「2分少々停車いたします」「おっぱい元気?」
「七人制ソース味だ」「キュウリ半分」「潮騒いっとく?」
「地獄へようこそ」「自分、ゆとりなんで」「ホントに毎日やるんだね!」
「今回は死ぬ?」「心が角刈りになっちゃうよ」
「じゃあ書いちゃって下さい」
など、クドカンワールド炸裂の1冊。
心の底から大好きな作家さんのエッセイ集です。
1996年生まれなのですが、「ごめんね青春」「ゆとりですがなにか」や「木更津キャッツアイ」を見て育っている筆者にとって、これほど贅沢な作品は他にはありません。
内容は上記記載の作品に関連する宮藤さんの当時のコメントや、生活をまとめた内容です。
「ごめんね青春」の下ネタ規制のややふざけた裏話や、「ゆとり世代」に対する考えなど、幅広い内容になっており、クドカンファン必読の一冊です!
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いつでもどこでも読書できるkindleがおすすめ
文庫本で読むとかさばるし重い、Amazonで注文してから時間がかかる、読んだ後の保管が困る。
など、読書はしたいけれど面倒と感じている方も多いと思います。
しかし、kindleがあればそんなお悩みを全て解消することができます!
Wi-Fiに接続していれば、いつでもどこでも気になった作品を購入できるし、クラウド保存なので持ち運びや保管も楽チンなんです。
筆者はkindleのヘビーユーザーなのですが、
出かける際はkindleを持ち歩き、気になった本があればその場で購入したりとメリットを享受しています。
詳細なメリットは以下にまとめていますので、ぜひ読んでみてください!
(kindleと推奨機種とその理由について解説しております。)
まとめ
いかがだったでしょうか?2022年の新しい趣味として、読書という選択肢ができたのであれば嬉しい限りです。読書は知識の幅を広げ、日常では体験できない世界へ誘ってくれる最良のツールだと思っています。
最後まで読んでいただきありがとうございました!